Camerhizome

写真と文章

白色の街

2018年1月22日。東京に記録的な大雪が降った。「電車が止まるかもしれないから帰ったほうがいいよ」と言ってもらえて、僕は結局仕事をせずに帰ってきた。しかし駅はまだ帰宅ラッシュでごった返しているだろう。僕はコンパクトカメラを持って新宿の街を走った。

f:id:Prince17pf:20180124000508j:image

 

f:id:Prince17pf:20180124000523j:image

なぜ走ったのかはわからないが、雪が気持ちを昂ぶらせたのかもしれない。僕は先日見た、ビル・カニンガムドキュメンタリー映画を思い出した。あんな風に街中で颯爽と写真を撮ることができたら……!

f:id:Prince17pf:20180124000549j:image

 

f:id:Prince17pf:20180124000559j:image

このときの雪は不穏な空気を漂わせていた。なんだかそわそわして仕方がない。隕石が落ちてきたりしても不思議はない。この光景を写真として残さねば、と思わせた。

f:id:Prince17pf:20180124000614j:image

 

f:id:Prince17pf:20180124000631j:image

この日使ったカメラはRICOHのTF-500Dという80年代のコンパクトカメラである。機能性も描写も申し分ない。焦点距離は35mmと70mmの2焦点切り替え式だ。画角を悩みたくないので、その日はとりあえず35mmと決めた。

f:id:Prince17pf:20180124000653j:image

 

f:id:Prince17pf:20180124000713j:image

僕がこのカメラでいちばん何をしたかったのかというと、フラッシュを焚いて雪を撮りたかったのである。これはシャッターを押したときにファインダーがブラックアウトしないカメラだ。ファインダーの向こうで雪が光った。

f:id:Prince17pf:20180124000732j:image

ふと我に返り、僕はいったいなぜ写真など撮っているのだろう、と自問する。

f:id:Prince17pf:20180124000751j:image

わからない。そのような第一原因など存在ないのかもしれない。だから、その問いをかき消すべく走る。

f:id:Prince17pf:20180124000808j:image

 

RICOH TF-500D, Fuji 記録用 100